Top Page プレリュード 楽団探訪 『OB交響楽団』 プレリュード 楽団探訪 『OB交響楽団』 (音楽メルマガ 月刊《コン・フォーコ》 2008年9月号記事 音楽雑貨店♪プレリュード 6月最初の木曜日、豪雨の夏を啓示していたかのような雨の中、OB交響楽団が本番直前の練習に取り組む江東区の森下文化センターへとプレリュード店長は急いでいました。町並みには、にわかに黒い犬の旗がちらほら。何を隠そう、ここは「のらくろ」の原作者、田河水泡さんゆかりの地なのだそうです。会場に着く頃には黒い犬の旗はそこら中に翻っていました。それもそのはず、練習会場の森下文化センターに、のらくろ館が併設されていたのでした。 さて、OB交響楽団は昭和12年に設立され、在京大学オケ出身の方々が集まって活動していたアマチュアオーケストラ。大戦中に一時活動中止を余儀なくされたものの、同23年から復活し、若き日の岩城宏之氏をはじめ、名だたる指揮者とともに、アマオケ界の歴史を築いてきた楽団といえます。 そんな楽団を取材するので、超ベテラン揃いで偉い方ばかりなのでは?と緊張しきりの店長でしたが、練習会場を覗きこむと、若い方からベテランまで幅広い年齢層の楽員の方々が、それぞれの仕事を終えて続々と集まっているところでした。 田代先生のモーツァルトのプローベが始まった。そこへドイツ音楽を得意とされる指揮者の田代詞生先生が登場、定演直前の最後のプローベが始まりました。「ハフナー」では、最後の仕上げとしてモーツァルトの表現についての微調整が行われ、本番も準備万端といった具合。休憩後の「ロマンティック」では、打って変わって重厚な金管郡の響きに圧倒され、練習であることを忘れるほどでした。(客席では何度も聴いたことがありますが、トランペットの真横でロマンティックを聴くのは初めての店長でした) ロマンティック1楽章の重厚な響きが素敵な金管群OBという名を冠せども特定の大学に支援を求めるわけではなく、職域オケでも地域オケでもない。これだけの長い歴史の楽団で、これだけのメンバーを維持して活動を続けられる、その秘訣は何だろう?と思い、コンサートマスターの井出さんに尋ねてみたところ・・・「みんな、音楽が好きな人の集まりなんですよ」と一言。団員の皆さんは、遠くは所沢・大宮・横浜南部等々、関東一円から集まってくるそうで、如何に広い範囲から練習に参加してくるのかがよくわかります。確かに好きでなければ続きません。といいいますか、『音楽好き』レベルがものすごいのでしょう。 平日の夜にもかかわらず、練習に熱が入っていく。またOB響では、毎回チャレンジャブルな楽曲が演奏され、普段なかなか生演奏を聴けないような曲まで聴かせていただいけるのです。そこにはアマオケにありがちな「レパートリーの偏り」がありません。これについても井出さんによれば、 「十年間は同じ曲をやらないことにしてるのですよ」 とのこと。定期演奏会は年三回ですから、30回は同じ曲をやらないわけですね。徹底しています。 次回は、トリフォニーホールで、松岡 究 先生の指揮によるシューマンの「ライン」他です。ご興味ある方はぜひ。 第170回定期演奏会日時 : 2008年 10月 19日(日) 13:30開演場所 : すみだトリフォニー 大ホール指揮 : 松岡 究曲目 : J・シュトラウス 喜歌劇「こうもり」序曲 op.362 マックス・レーガー モーツァルトの主題による変奏曲 op.132 シューマン 交響曲第3番変ホ長調 op.97 「ライン」 楽団URL: http://www.ne.jp/asahi/net/ohashi/ob/ob.htmlこの記事は、音楽雑貨店プレリュードのメールマガジン記事の一部です。 2018.04.02 06:56 プレリュード
楽団探訪 『OB交響楽団』 (音楽メルマガ 月刊《コン・フォーコ》 2008年9月号記事 音楽雑貨店♪プレリュード 6月最初の木曜日、豪雨の夏を啓示していたかのような雨の中、OB交響楽団が本番直前の練習に取り組む江東区の森下文化センターへとプレリュード店長は急いでいました。町並みには、にわかに黒い犬の旗がちらほら。何を隠そう、ここは「のらくろ」の原作者、田河水泡さんゆかりの地なのだそうです。会場に着く頃には黒い犬の旗はそこら中に翻っていました。それもそのはず、練習会場の森下文化センターに、のらくろ館が併設されていたのでした。 さて、OB交響楽団は昭和12年に設立され、在京大学オケ出身の方々が集まって活動していたアマチュアオーケストラ。大戦中に一時活動中止を余儀なくされたものの、同23年から復活し、若き日の岩城宏之氏をはじめ、名だたる指揮者とともに、アマオケ界の歴史を築いてきた楽団といえます。 そんな楽団を取材するので、超ベテラン揃いで偉い方ばかりなのでは?と緊張しきりの店長でしたが、練習会場を覗きこむと、若い方からベテランまで幅広い年齢層の楽員の方々が、それぞれの仕事を終えて続々と集まっているところでした。 田代先生のモーツァルトのプローベが始まった。そこへドイツ音楽を得意とされる指揮者の田代詞生先生が登場、定演直前の最後のプローベが始まりました。「ハフナー」では、最後の仕上げとしてモーツァルトの表現についての微調整が行われ、本番も準備万端といった具合。休憩後の「ロマンティック」では、打って変わって重厚な金管郡の響きに圧倒され、練習であることを忘れるほどでした。(客席では何度も聴いたことがありますが、トランペットの真横でロマンティックを聴くのは初めての店長でした) ロマンティック1楽章の重厚な響きが素敵な金管群OBという名を冠せども特定の大学に支援を求めるわけではなく、職域オケでも地域オケでもない。これだけの長い歴史の楽団で、これだけのメンバーを維持して活動を続けられる、その秘訣は何だろう?と思い、コンサートマスターの井出さんに尋ねてみたところ・・・「みんな、音楽が好きな人の集まりなんですよ」と一言。団員の皆さんは、遠くは所沢・大宮・横浜南部等々、関東一円から集まってくるそうで、如何に広い範囲から練習に参加してくるのかがよくわかります。確かに好きでなければ続きません。といいいますか、『音楽好き』レベルがものすごいのでしょう。 平日の夜にもかかわらず、練習に熱が入っていく。またOB響では、毎回チャレンジャブルな楽曲が演奏され、普段なかなか生演奏を聴けないような曲まで聴かせていただいけるのです。そこにはアマオケにありがちな「レパートリーの偏り」がありません。これについても井出さんによれば、 「十年間は同じ曲をやらないことにしてるのですよ」 とのこと。定期演奏会は年三回ですから、30回は同じ曲をやらないわけですね。徹底しています。 次回は、トリフォニーホールで、松岡 究 先生の指揮によるシューマンの「ライン」他です。ご興味ある方はぜひ。 第170回定期演奏会日時 : 2008年 10月 19日(日) 13:30開演場所 : すみだトリフォニー 大ホール指揮 : 松岡 究曲目 : J・シュトラウス 喜歌劇「こうもり」序曲 op.362 マックス・レーガー モーツァルトの主題による変奏曲 op.132 シューマン 交響曲第3番変ホ長調 op.97 「ライン」 楽団URL: http://www.ne.jp/asahi/net/ohashi/ob/ob.htmlこの記事は、音楽雑貨店プレリュードのメールマガジン記事の一部です。 2018.04.02 06:56 プレリュード