プレリュード
市民オペラ団体立ち上げ参加記「ある、晴れた日に Atto1」
市民オペラ団体立ち上げ参加記
「ある、晴れた日に Atto1」
はじめまして。
ひょんなことから店長さまと懇意になってしまったテューバ吹きのKです。
その熱意度は・・・検索欄に「テューバ」とタイプすると
「もしかして: チューバ?」
と返してくる某巨大検索サイトに、ほんのちょっと血が熱くなる・・・かなぁ?
という程度と思ってください。
このたび、店長さまから「そのネタ、面白いから書け!」と言われたのですが、そんな経験なぞあるはずがない私。どう言い訳して断ろうかと考えましたが、フト思ったのはこれまでのこと。
友人を標榜しておきながら、一度もプレリュードからグッズを買ったことがない!
それでいて、個人的に欲しいからとオランダの教則本・所属している楽団で使いたいからとドイツの楽譜、これらをプレリュードの営業品目にはないにもかかわらず輸入代行(※)してもらったぞ? (汗)。 あ~、これは断れないじゃないか!
藤岡屋、お主も悪よのう(by 川合伸旺)
・・・話のツカミはこれぐらいにしておきましょう(笑)
(※ 編集注 プレリュードでは輸入代行は業務としては行っていません。)
さて、今夏は太陽が一回り大きくなったんじゃないか?と思えるような激暑でしたが、そのさなかに一陣の清涼な風のようなメールが私のところに届けられました。
件名「オペラのお誘い」。
窓の外とは違う、心地よい熱さを感じました。
何が熱いのか?ここで私の音楽遍歴に少しばかりおつきあいください。
現在管楽器を趣味とされておられる方々の大半がそうであるように、私も吹奏楽部出身です。当然ながら管弦楽曲を吹奏楽に編曲した作品もレパートリーなんで、あるときリヒャルト・ヴァーグナーの「ニュルンベルクのマイスタージンガー前奏曲」が配布されました。
先輩から「原曲を聴いた方がいい」と言われ、たまたま当時ハマっていたFMエアチェック(若い皆さん、お父さんに聞いてね~)で録音できたので、ホントに「しかたなく」軽い気持ちで原曲を聴きました。
・・・「なんてカッコいいんだ!」・・・
バカーンと津波のような衝撃を受けました。
もう後は一直線です。ミニチュアスコアなるものの存在を知り、大東京へ繰り出して安いオレンジ表紙のほうを購入。そしてタイトルの意味を知り、オケにもテューバのパートがあるんじゃないか!と狂喜。「ヤ○ハ渋谷詣」がはじまった瞬間でした (その後は当然、銀座詣にシフト)。
ということで吹奏楽部にいながらオーケストラ漬けな日々を送り続け、ついには初めて楽器を買って探したのは吹奏楽団ではなくオーケストラというオチがついております。
木管楽器やホルンでは珍しくないかもしれませんが、テューバでは滅多にいないタイプだと自負・・・意外とそういう方、多かったりして? (汗)。
今では吹奏楽も相当やっていますが、やっぱりココロの故郷はオケなんですよ~とかなんとかこのネタでいくらでも転がせますが、キリがないので続きいきます。
そういうことで「オケな人」の私にとって"オペラ"は熱くさせるセンテンス。
実は誘ってくれた友人はこれまでも既存の市民オペラ団体に所属しており、私もエキストラとしてお手伝いしたことがあるのでオペラ経験そのものはあったのです。ただ、どこのアマ団体もそうですが経済状況の厳しさゆえ会場がイマイチだったんです。内容は良かっただけに友人にも「この会場じゃ勿体ないね~」とか話してはいたんですよ。
その会話が契機の一つだったかどうかはわかりませんが、その友人からオペラ団体を立ち上げるのでぜひ・・・というメールを戴いてまず思ったのは「やっぱり我慢できなかったんだナ」でした。
詳細を聞くと、曲は「蝶々夫人」・会場はかつしかシンフォニーヒルズ・メンバーも可能な限り精鋭で、というお話。ワクワク。
そして何よりも・・・
「仲間と一緒にオペラを作りたい」
究極の総合芸術オペラ。その公演を行うためには、歌手、オーケストラ、舞台と幅広い分野の背景を持つ人たちによる共同作業が必要です。私達はオペラに携わるメンバー全てを「仲間」とし、自分の持てる情熱を互いに出し合い、それをエネルギーとし、喜びを分かち合う公演を作りたいと思っています。
・・・この熱意に打たれました。お金なんぞ二の次で参加表明です。
(実は店長さまもお誘いしたのですが、多忙ゆえ断腸の思いですが今回は・・・とのこと。残念!)
オペラの魅力。そうですね、まずはコレを聴いてください。
♪ 間奏曲
知らない人はまずいない名曲ですね。この曲はまず「メロディーの美しさ」だということに異論はないと思います。しかしそれはこの曲にとっては、ごく一部でしかないのです。
私はオペラ「カヴァレリア・ルスティカーナ」全曲上演に参加したことがありますが、実はこのオペラは愛憎に満ちた悲劇なんです。愛憎ドロドロ・救いの無さ、そういったことばかりが横溢する中にフッと流れ出すこの間奏曲・・・マスカーニの神技を見た心地がしました。
そしてこの間奏曲が存在するからこそ引き立つ、後半のクライマックス・・・間奏曲単品では決して味わえない、まさに極上のイタリア料理という趣でしょうか。
youtubeのムーティをよく見てください。汗が光っているでしょう?
それまでの「熱さ」を物語っています・・・あ~、この後に流れる鐘の音が耳に甦ってきますな~
メルマガをお読みの皆さまも、機会がありましたらぜひ参加してみてください!合唱という選択肢もありますよ。
そうこうするうちに初練習の日がやってきました。当分はオーケストラだけでの練習です。仕事の関係で後半からの出席となってしまったんですが、行ってみましたら・・・
「何、この出席人数??」
団体立ち上げの最初の集まりとは思えませんでした。ひととおりパートが揃っているなんて!(バスクラまで来ているとはっ) そして実力も確かに前評判どおり。ちゃんと通っていただけでなく、指揮者が何も言わなくても音楽的な表現が・・・
ひょっとして、私は今回演奏で使用する「この楽器」だけが存在理由?と脂汗が出てきてしまいました。ちゃんとさらってきま~す!
おっと「この楽器」ですか?実は・・・次回のお楽しみにしておきましょう。キーワードは「プッチーニとヴェルディだけ」(ヒントあげすぎかも?)。
ところでプッチーニというとまずオペラ作品で、シンフォニーオケの演奏会プログラムに載るような純粋な管弦楽曲はほとんどないのが実情です。
個人的にも初体験ということで期待もひとしおでしたが、先日の段階ではまずハーモニーに魅力を感じました!
なんというか・・・そうですね、私としては「透明」と言わせていただきます。やっぱり名を残す作曲家は違いが明確です。
これから先、さらに深く踏み込んで多くの発見・感動に会えるのがとっても楽しみですね!
Fine dell Atto 1 (つづく)
- 2018.04.02
- 06:53
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