Top Page プレリュード 商品破損についての調査報告 プレリュード 商品破損についての調査報告 ヨーコ様ご購入いただいたピアスが直ぐに壊れてしまったとのこと、とても残念です。ヨーコさまがご返送くださった破損品が6月25日に到着いたしましたので、さっそく商品瑕疵の有無を含めて検品用顕微鏡にて破損状態を確認致しました。6月12日に破損品の写真をお送りくださった際に電話対応させて戴いた内容と重複する部分がありますが、以下の通りご報告申し上げますので、別途お送りする画像とあわせてご確認くださいませ。1.概要:検品用顕微鏡による状態確認により、ピアスの破損部位は、ボールチェーンの中間部分のワイヤー破断であることがわかりました。ご指摘くださったようなヘ音記号のチャーム部分とボールチェーン間のロウ付け(ハンダ付けとは異なる)の剥離ではありません。お客様がお送りくださった写真(別送画像1・右)でもこれが確認できます。ワイヤーはボール表面付近で断ち切られており、ワイヤーが軸方向に引っ張られ、かつ横向きにも引っ張られた痕跡がボール部分の変形として確認されました。よって、外力が加わってワイヤーが破断したと考えられ、チャームの自重や風に靡いた風圧等の力で強度不足により自然落下したとは考えられません。2.ピアスの構造:当社のヘ音記号シルバーピアスは、耳に装着するピアスポストと、モチーフとなるヘ音記号チャームを、装飾用ボールチェーン(ボール5個分)にて繋ぎ合わせたものです。ボールチェーンの1つめがピアスポストと、5つめがチャームにそれぞれロウ付けされております。(別送画像1・左)装飾用ボールチェーンに関しては、中空の金属ボールと、それらを一つずつ繋ぐワイヤーから構成され、これによりワイヤー軸を中心に自由にボールが回転でき、またワイヤーの長さと遊びの許す範囲でボールチェーンが曲がる(ゆらゆらする)ことができます。(別送画像2)3.破損の詳細今回破断してしまったのは、4つ目と5つ目のボールを接続しているワイヤーです。破断面を横から見ますと、ワイヤー軸方向に引っ張られて、ワイヤー基部がボールを内側から持ち上げようとしてボールが変形したこと、ボール表面と同じ高さで剪断方向に力が加わりワイヤーが断ち切られていること、が判ります。(別送画像3)破断面を上部から見ますと、ワイヤーを通すためのボールの穴の縁がヘ音記号と並行方向に潰されて広がっており、剪断方向にも力が及んだことが裏付けられています。(別送写真4)ボールチェーンは引っ張り方向にはある程度の強度がございますが、許容範囲を超えて丸めようとすると、隣り合ったボール同士が接触して支点となり、ワイヤー部分が作用点となってテコの原理により大きな力がかかり、結果としてチェーンが切れることがございます。今回チャーム側に一番近い4個目と5個目のボール間のワイヤーが破断していることからも、ケースから取り出したり耳へ着脱されたりする際にチャーム部分を持って並行方向に引っ張られたか、耳に装着された状態でお召し物を着脱して引っ掛けてしまったなどで、思わぬ力がワイヤー部分に掛かったものと推測されます。4.強度アップについてこちらの品物については、ご指摘くださったような、『ハンダ付けのような僅かな接触だけ』で製作されている部分はなく、装身具としての強度は確保できる部材で製作しております。もちろん装身具でございますので、テコの原理に抗えるような強靭な部材は採用しておりません。確かにチェーン部分を、例えば風呂のゴム栓をつなげているような工業用ボールチェーンやピアノ線に替えてしまえば、見た目はともかく強度は抜群です。しかしもしこの構造のピアスを耳に装着した状態で何かに引っ掛けてしまった場合、ピアスは無事ですが、お客様の耳が裂傷を負われるのは間違いありません。そのような配慮から、ピアスの強度はお客様の耳たぶよりもあえて弱い程度を目指しております。今回はお求めから間もない時点での破損とのことでしたので特別な対応を御案内致しましたが、お取扱いの際には、チャーム部分を持たずにピアスポストを持って着脱や収納を行ってくださるようお願い申し上げます。なお顕微鏡は、ピントをずらしながら深さ方向に観察していく光学機器ですので、接眼レンズ越しに撮影した画像でピントが合っているのは一部分のみとなりますこと、ご承知おきください。 2021.07.05 11:06 プレリュード
商品破損についての調査報告 ヨーコ様ご購入いただいたピアスが直ぐに壊れてしまったとのこと、とても残念です。ヨーコさまがご返送くださった破損品が6月25日に到着いたしましたので、さっそく商品瑕疵の有無を含めて検品用顕微鏡にて破損状態を確認致しました。6月12日に破損品の写真をお送りくださった際に電話対応させて戴いた内容と重複する部分がありますが、以下の通りご報告申し上げますので、別途お送りする画像とあわせてご確認くださいませ。1.概要:検品用顕微鏡による状態確認により、ピアスの破損部位は、ボールチェーンの中間部分のワイヤー破断であることがわかりました。ご指摘くださったようなヘ音記号のチャーム部分とボールチェーン間のロウ付け(ハンダ付けとは異なる)の剥離ではありません。お客様がお送りくださった写真(別送画像1・右)でもこれが確認できます。ワイヤーはボール表面付近で断ち切られており、ワイヤーが軸方向に引っ張られ、かつ横向きにも引っ張られた痕跡がボール部分の変形として確認されました。よって、外力が加わってワイヤーが破断したと考えられ、チャームの自重や風に靡いた風圧等の力で強度不足により自然落下したとは考えられません。2.ピアスの構造:当社のヘ音記号シルバーピアスは、耳に装着するピアスポストと、モチーフとなるヘ音記号チャームを、装飾用ボールチェーン(ボール5個分)にて繋ぎ合わせたものです。ボールチェーンの1つめがピアスポストと、5つめがチャームにそれぞれロウ付けされております。(別送画像1・左)装飾用ボールチェーンに関しては、中空の金属ボールと、それらを一つずつ繋ぐワイヤーから構成され、これによりワイヤー軸を中心に自由にボールが回転でき、またワイヤーの長さと遊びの許す範囲でボールチェーンが曲がる(ゆらゆらする)ことができます。(別送画像2)3.破損の詳細今回破断してしまったのは、4つ目と5つ目のボールを接続しているワイヤーです。破断面を横から見ますと、ワイヤー軸方向に引っ張られて、ワイヤー基部がボールを内側から持ち上げようとしてボールが変形したこと、ボール表面と同じ高さで剪断方向に力が加わりワイヤーが断ち切られていること、が判ります。(別送画像3)破断面を上部から見ますと、ワイヤーを通すためのボールの穴の縁がヘ音記号と並行方向に潰されて広がっており、剪断方向にも力が及んだことが裏付けられています。(別送写真4)ボールチェーンは引っ張り方向にはある程度の強度がございますが、許容範囲を超えて丸めようとすると、隣り合ったボール同士が接触して支点となり、ワイヤー部分が作用点となってテコの原理により大きな力がかかり、結果としてチェーンが切れることがございます。今回チャーム側に一番近い4個目と5個目のボール間のワイヤーが破断していることからも、ケースから取り出したり耳へ着脱されたりする際にチャーム部分を持って並行方向に引っ張られたか、耳に装着された状態でお召し物を着脱して引っ掛けてしまったなどで、思わぬ力がワイヤー部分に掛かったものと推測されます。4.強度アップについてこちらの品物については、ご指摘くださったような、『ハンダ付けのような僅かな接触だけ』で製作されている部分はなく、装身具としての強度は確保できる部材で製作しております。もちろん装身具でございますので、テコの原理に抗えるような強靭な部材は採用しておりません。確かにチェーン部分を、例えば風呂のゴム栓をつなげているような工業用ボールチェーンやピアノ線に替えてしまえば、見た目はともかく強度は抜群です。しかしもしこの構造のピアスを耳に装着した状態で何かに引っ掛けてしまった場合、ピアスは無事ですが、お客様の耳が裂傷を負われるのは間違いありません。そのような配慮から、ピアスの強度はお客様の耳たぶよりもあえて弱い程度を目指しております。今回はお求めから間もない時点での破損とのことでしたので特別な対応を御案内致しましたが、お取扱いの際には、チャーム部分を持たずにピアスポストを持って着脱や収納を行ってくださるようお願い申し上げます。なお顕微鏡は、ピントをずらしながら深さ方向に観察していく光学機器ですので、接眼レンズ越しに撮影した画像でピントが合っているのは一部分のみとなりますこと、ご承知おきください。 2021.07.05 11:06 プレリュード